先祖の霊が現れるということが、あるかどうか断定できません。
霊が存在するかどうかなどわからないことに悩む暇があれば、僧
侶は、修行に集中しなくてはなりません。
しかし事実の問題としては、人それぞれの考えがあると思います
が、霊をはっきりと何回か目撃したり、不思議な物音や声を聴い
たことのある者としては、それが妖怪なのか、霊なのかわかりま
せんが、本当の正体が霊なのかは、わかりませんが、何か不思議
なものは存在すると思います。

先祖代々の霊を、子々孫々に亘り、大事にし、供養をする。
そして、先祖の霊、先祖の位牌に手をあわせ拝みます。
霊があろうがなかろうが、人間の持つ仏性が、優しさが、手を合
わさずにはいられません。
位牌に先祖の霊があろがなかろうが、位牌を粗末に扱うことは、
できません。

人間は、亡くなると、輪廻転生すると言われています。
人間は、生まれ変わり、死に変わりして、修行が完成するまで、
輪廻転生すると言われます。
亡くなった人は、すぐ生まれ変わるのだから、先祖代々の霊を、
供養する必要はなく、誰かが、生まれ変わった、今、生きている
人々のために、親切にしたり、救ったりすべきということがあり
ます。
しかし、たとえ仏教上、そうだとしても、子が、亡くなった親や
、祖父母に対し、先祖供養することは、仏心です。
先祖の霊に手を合わせ供養をすることは自然の摂理です。
先祖の霊に向かえば、自然に、手を合わせ拝んでいます。
不思議です。

お墓や仏壇で、ご先祖様に感謝し、手を合わせると、清清し
い気持ちになります。
ご先祖様の供養になるとともに、自分のためでもあります。
自分の心が洗われます。
最近、ご先祖様の感謝の気持を表していない方は、こ先祖様
に手を合わせてください。
こ先祖様の声が、心に聞こえてくると思います。
ご先祖様は、貴方を守ってくれています。
ご先祖様を大事にしてください。
お墓参りをする、先祖供養をする、大切な事です。
お墓が、汚れていることに気がついたら、きれいに掃除しま
しょう。
ご先祖様は言葉では、何も話しませんが、子孫を守ってくれ
ています。
思い出してください、今までの人生で、不思議にも一瞬の差
で、事故に会わなかった、奇跡的に怪我が軽くすんだという
ことがあったと思います。
不思議です。
ご先祖様の霊、守護霊のおかげと思わざるを得ません。
今ある自分は、自分だけの力で存在しているのではありませ
ん。 このことを良く、かみしめて、ご先祖様に感謝しましょう。

先祖供養における「先祖」とは、血族であり、自分の家系に
属した直系の尊属です。
先祖とは、自分の家系の始まりとなった方以降、先祖代々の
方々を指します。
先祖を辿るには、自分の親、親の親、またその親の親と、家
系を遡っていくことになります。
そして先祖を辿り続け、自分の家系の初代となる先祖まで遡
れば一族が、誰であったか確定します。
これらの先祖が先祖代々と呼ばれる方々です。

先祖とは、もちろん既に亡くなった人であり、霊となり、子
々孫々の崇拝の対象となります。
崇拝の対象となり、仏壇の中に祀られ、この世でも家族の一
員となります。
仏壇の中では、位牌という形で祀られ、崇拝の対象となり敬
われる存在としてだけではなく、家族の一員として、家族同
様の親愛の情を持つ、世帯にとけ込んだ存在となります。

○悪い因縁の恐ろしさ
先祖の因縁、親の因縁、親戚の因縁、友人の因
縁、知人の因縁、隣近所の因縁、動物の因縁等
が、家系、子孫、子供、友人、知人等に悪影響
を及ぼすと考える人がいます。
先祖の因縁の例としては、たとえば、
?先祖が、誰かに恨まれることを行った。
?先祖が、人や生き物を傷つけたり、殺した。
?先祖から被害を受けた人が、お前の子々孫々ま
?で祟ってやると、言って死んだ。
このような話が、親族、両親から子、孫からへと
順次、伝えられる。
家系に不幸に状態が続くと、たとえば、
子孫の代で、跡継ぎができない、病気や死者が続く
、受験しても合格しない、家庭内暴力、アルコール
中毒の家族がいる、イジメられる、近所の人間から
村八分にされる、嫌がらせを受ける、見ず知らずの
者に自分だけ故意に危害を加えられる、結婚できな
い、精神疾患の家族が多数出る、不慮の事故に遭う
、貧困、何回もリストラされる、正社員として就職
できない、病気がち、霊が見える、霊の声が聞こえ
る、くじを引いても当たらない、その他不幸が続く
、など、因縁と結びつけて考えられる。
多くの人間は、不幸が続くと、何で、自分だけ、自
分の家族だけ、こんなに不幸なのだろうか、と考え
る。
そして不幸、不運の原因について、物理的原因、明
白な原因が、見つからない場合、霊的な原因しか、
考えられなくなってくる。
お墓、先祖、動物等の因縁ではなかろうかと考える
。
先祖の因縁のため、子孫である私たちが、不幸にな
っている。
先祖の因縁は、断てないので、先祖の因縁が原因で
あれば、家系が絶え、不幸になることに納得がいく
。
多くの人は、不幸になると、その原因は、何かと考
えてしまう。
周りの人が、皆、幸福に見え、なぜ、自分だけが不
幸なのだろうかと考えてしまう。
見えざる、何らかの、悪い力によることに原因を求
める。
その原因は、両親、家族、親戚に思い当たることは
ないかと、問うと、先祖の因縁の話がでれば、そこ
に原因を結びつけることになる。
このように、多くの人は、先祖の因縁に原因を見つ
け、自分では手に負えない領域のことなので、不幸
を甘んじて受け、その理由付けに、自分自身に言い
聞かすことになる。
そして先祖を恨むという流れになっていく。
マイナス思考、負の考え方の連鎖となる。
しかし、果たして、先祖の因縁が、何代もの家系に
、悪影響を及ぼすことがあるのだろうか。家族の中
には、幸福な人生を送っている人もいるのではない
だろうか。
人生、少しの幸福もなかったのだろうか。
先祖の起こした因縁が、子孫に祟るということは、
ないと思います。
人間は、一人ひとり、独立した人間であり、先祖も
独立した人間であり、まったく別の魂、仏心をもっ
ているため、先祖の因縁に影響されることはないと
思います。
先祖の因縁ということに執着する心を離した方が良
いと思います。
先祖の因縁ということに執着すると自分で自分を苦
しめることになると思います。
どうすれば苦を生み出さないか、苦を消滅させるか
、ということがお釈迦様の教えです。