四諦の三転十二行相

四諦は、苦、集、滅、道。

三転とは、示転、勧転、証転。

これは、戒、定、慧の智慧を得、解脱をしたと感じても、本当に、解脱したかどうか、得た智慧により、検証する必要が説かれるのに似た思考。

まず、示転により、修行対象の内容を明らかにし、自己確認する。

次に、勧転により、その修行内容を勧め、支持し、実現すべき、実践すべきであると、自己確認する。

最後に、実践した修行が、実現した、成就した、完成したこと、つまり悟りを証する。

これを四諦の「苦」にあてはめると、人生の現実を振り返り、具体的に苦の内容を確認することが示転。

その苦の内容を完全に知り尽くすべきである、実践すべきであると、自分の心に勧める勧転。

苦の内容を完全に知り尽くした。完全に知り尽くしたということを、悟りを、証する証転。

これを四諦の「集」にあてはめると、勧転で完成した苦の原因は、何かという、具体的内容を確認することが示転。

その苦の原因を完全に断じるべきであると、断じることを実践すべきであると、自分の心に勧める勧転。

苦の原因を完全に断じた。

完全に断じたということを、悟りを、証する証転。

これを四諦の「滅」にあてはめると、苦を滅した涅槃の世界の具体的内容を確認することが示転。

苦を滅し、涅槃の世界に入ったことを、証することを実践すべきであると、自分の心に勧める勧転。

涅槃の世界に入った、悟りの智慧を得たことを、悟りを、証する証転。

これを四諦の「道」にあてはめると、涅槃に入るための具体的手段、修行方法は何かということを確認することが示転。

涅槃に入るための修行を実践すべきであると、自分の心に勧める勧転。

涅槃に入るための修行が、達成された、完成した、悟りの智慧を得たことを、悟りを、証する証転。

四諦の三転十二行相を修行を完成すれば、諸法実相、如実知見、ありのままの真実をみることができる。

鏡のような大円鏡地に至り、悟りの智慧を得る。