天界に住む天人の苦るしみ

天人でさえも、苦につきまとわれるのである。

六道輪廻による苦しみと、寿命がつき、死を迎える苦しみである。

六道輪廻の世界から解脱しない限り、苦からは逃れることができない。

六道の最上位の天界、その中でも最高位の場所に位置する有頂天。

六道は、くるくる回る、輪廻の世界である。

天人も寿命をむかえ、輪廻し、六道うちの究極の苦しみの世界である地獄に落ちることもある。

この世の春と天界で楽しんでいた天人が、苦しみの世界の地獄に落ちる。

この落差は、たいへんな苦痛となるる。

天人でさえも、六道輪廻から解脱し、苦から逃れるための智慧を得ることが、仏教の目的である。

天人も寿命がつき、死を迎えることになる。

天界で、究極の楽しみを味わい、この世の春と楽しんでいた天人が、寿命をむかえ、楽しみを味わうことができなくなるという究極の落差に苦しむことになる。

天人には、六道輪廻による落差と寿命による死を迎えることの苦しみがつきまとう。