ここに書いたことは、一般的な見解であります。在留資格の実務はたいへん重要です。
申請の仕方によっては、在留期間が3年認められるところ1年しか認められないという事態も発生しかねません。実務と机上の理論とは異なります。損をしないようにしましょう。
又申請等をすすめるにあたり、必ず、住所地を管轄している入国管理局等に事前お聞きになったり、専門家に聞くなど、調査してから実行ください。
在留資格の法的解釈や実務上の手続き、書類等は専門性があります。又法令の改正、解釈、実際の取り扱いも時代の流れによって変化します。
日本人の配偶者等や一部の定住者資格のような簡単なものはともかく、他の資格については、必ず入国管理局等に事前お聞きになったり、良くお調べの上、お手続きください。
へたをすれば不利なあるいは間違った申請手続きをしたりまい、後で、後悔することになります。外国人は、入管法で在留資格として規定された資格要件に該当しない限り、入国・在留が出来ない仕組みになっています。つまり、在留資格のどれか一つに当てはまらないと日本滞在ができません。また、色々な事情から在留資格の要件に該当しなくなった人は、在留資格の変更(留学→技術や人文知識・国際業務、日本人の配偶者等→定住者など)手続きをしなければなりません。
1.働くことができる在留資格(通称:ワーキングビザ、ビジネスビザ)
技術ビザ
この資格は日本で、技術分野で働くことができる在留資格です。
技術「業務」とは、理学、機械工学、情報工学等いわゆる自然科学の分野に関する技術又は知識を必要とする業務をしている会社での業務が対象となります。
「該当する外国人」は、上記の業務をする上で、必要な知識のある外国人となります。
その知識又は技術に係る科目を専攻して大学を卒業している又はそれと同等の教育を受けている者、そうでなければ、実務経験が10年以上の者、入管の定めた試験に合格していれば、大学卒業や実務経験は不要です。
なお、報酬については、日本人と同額以上を要求されます。
証明する内容、添付書類については、「人文知識・国際業務」と同様ものを求められます。
技術ビザとは、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動のためのビザであり、一般には理科系の大卒者が取得します。
「技術」ビザは理学、工学、自然科学の分野に属する技術または知識を要する業務に就く人のためのビザで、仕事としては、たとえばシステムエンジニア、プログラマーなどのI.T.技術者、機械設計者、土木設計者、新製品の開発技術者などです。
一般的には、4年生の大学で理科系の専攻だった方が大学を卒業後、日本で仕事につく場合に取得する在留資格です。
この在留資格を取得する際には、申請人の大学での専攻、または実務経験と就労を予定している企業での担当職務との適合性が問われます。
つまり、申請にあたってのポイントは、大学の専攻科目と、従事しようとする、業務に矛盾がないか、又語学力も含めた業務遂行能力もポイントです。又大学での成績も審査に関係があります。そして、受け入れ先の企業についても審査され、その企業の経営の安定性や継続性が審査されます。
技術ビザの申請要件は、申請人が次のいずれにも該当していることです。
1.従事しようとする業務について、必要な技術、もしくは知識に係る科目を専攻して、大学を卒業し、若しくはこれと同等以上の教育を受け、又は10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間を含む。)により、当該技術若しくは知識を修得していること。
2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
但し、申請人が情報処理に関する技術、又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し、又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、1に該当することを要しません。
法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し、又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときとは、下記の試験に合格、又は資格を持っていることです。
1.情報処理技術者試験の区分等を定める省令(平成9年通商産業省令第47号)の表の上欄に掲げる試験のうち次に掲げるもの
イ システムアナリスト試験
ロ プロジェクトマネージャ試験
ハ アプリケーションエンジニア試験
ニ ソフトウェア開発技術者試験
ホ テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験
ヘ テクニカルエンジニア(データベース)試験
ト テクニカルエンジニア(システム管理)試験
チ テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)試験
リ 情報セキュリティアドミニストレータ試験
ヌ 上級システムアドミニストレータ試験
ル システム監査技術者試験
ヲ 基本情報技術者試験
2.平成12年10月15日以前に通商産業大臣が実施した情報処理技術者試験で次に掲げるもの
イ 第一種情報処理技術者試験
ロ 第二種情報処理技術者試験
ハ 特種情報処理技術者試験
ニ 情報処理システム監査技術者試験
ホ オンライン情報処理技術者試験
ヘ ネットワークスペシャリスト試験
ト システム運用管理エンジニア試験
チ プロダクションエンジニア試験
リ データベーススペシャリスト試験
ヌ マイコン応用システムエンジニア試験
3.平成8年10月20日以前に通商産業大臣が実施した情報処理技術者試験で次に掲げるもの
イ 第一種情報処理技術者認定試験
ロ 第二種情報処理技術者認定試験
ハ システムアナリスト試験
ニ システム監査技術者試験
ホ アプリケーションエンジニア試験
ヘ プロジェクトマネージャ試験
ト 上級システムアドミニストレータ試験
4.シンガポールコンピューターソサイエティ(SCS)が認定するサーティファイド・IT・プロジェクト・マネージャ(CITPM)
5.韓国産業人力公団が認定する資格のうち次に掲げるもの
イ 情報処理技師(エンジニア・インフォメーション・プロセシング)
ロ 情報処理産業技師(インダストリアル・エンジニア・インフォメーション・プロセシング)
6.中国信息産業部電子教育中心が実施する試験のうち次に掲げるもの
イ 系統分析員(システム・アナリスト)
ロ 高級程序員(ソフトウエア・エンジニア)
ハ 程序員(プログラマ)
7.フィリピン・日本情報技術標準試験財団 (JITSE Phil)が実施する基本情報技術者 (ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・
エンジニア)試験
(平成15年05月30日法務省告示291号で追加。)
8.ベトナム情報技術試験訓練センター (VITEC)が実施する基本情報技術者 (ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・ エンジニア)試験
(平成15年05月30日法務省告示291号で追加。)
9.ミャンマーコンピュータ連盟(MCF)が実施する基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験
(平成16年08月27日法務省告示363号で追加。)
10.財団法人資訊工業策進会(III)が実施する軟体設計専業人員(ソフトウェア・デザイン・アンド・ディベロップメント・IT・エキスパート)試験
なお、この資格は、大卒でなくても、10年以上の実務経験があれば、基準を満たします。但し、日本での実務経験については、実務上、審査官によっては、日本での実務経験を認めないことがありますから、ご注意ください。
海外の大学を卒業した者については、学校のレベル等を確認のうえ、日本の大学に相当するか判断されることになります。従って、海外の「大学」は大学とみなされないことが
技術ビザを取った人が転職する場合は、必ず就労資格証明書を取得しましょう。
取得しないと、次の更新のときに不利になることがありますし、
就労資格証明書を取らないで、新しい会社に就職しても、そこが就労の認められない会社かもしれません。確認のためにも、転職した場合は、就労資格証明書を取りましょう。 突然、在留不許可になって、帰国することになりかねません。又更新というのは、通常、期限直前に行いますが、不許可の場合は、残期間は出国準備期間となります。この場合、就労はできません。
たとえ、入管で再申請を特別に受理してもらったとしても、申請期間中は、働けません。もし働いたら、「不法就労」となります。
この在留資格の申請例
1.外国からコンピュータープログラマーを招へいする
2.インド人IT技術者をソフトウエア関係の会社が招へいする
3.外国から海運会社への海務監督、検船監督を招へいする
人文国際ビザ
この資格は日本で、人文知識・国際業務の分野で働くことができる在留資格です。
学歴で取得するか、あるいは実務経験で取得する資格です。
(1)学歴で取得する場合
1.大学を卒業しているか若しくは同等以上の教育を受けていること
2.10年以上の実務経験
と(2)実務経験で取得する場合
外国の文化に基礎を有する思考又は感受性(日本国内では育たない思考や感受性。単に外国人であるだけではダ
メ。その外国人以外では替えられないこと)を必要とする業務に従事し、下記の1と2いずれにも該当すること
1.翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、デザイン、商品開発その他これらに類する業務であること
2.3年以上の実務経験があること(大学卒業者が翻訳・通訳、語学指導に従事する場合は除く)
通訳、翻訳、ファッションデザイナー、インテリアコーディネイターなどの業務をする人が申請することが多いです。
1.「社会科学の知識を必要とする貿易、営業等の事務系の専門職、外国語能力を必要とする翻訳、通訳、語学の指導、外国人特有の感性を必要とする広報、宣伝、海外取引業務、服飾・室内装飾に係るデザイン業務、商品開発、販売業務などの」業務
その業務を行っている会社等で、「該当する外国人」が就職を希望する場合、申請取得する在留資格です。
人文科学の分野の業務知識があることが条件です。
人文科学の分野に属する知識を必要とする仕事をする場合は、その知識に係る科目を大学で専攻して卒業したか、あるいはそれと同等の教育を受けている者、又は実務経験10年以上の者でなくてはなりません。
2.外国の文化に基盤を有する思考、又は感受性を必要とする業務
大学の卒業の有無と関係なく、実務経験が3年以上が必要、なお、大学を卒業した人が、翻訳・通訳・語学の指導をする仕事をする場合は、実務経験は不要です。これらの仕事は限定されていて、翻訳・通訳・語学の指導・広報・宣伝・海外取引業務・服飾や室内装飾に係るデザイン・商品開発・販売業務となります。
いずれにしろ、会社が、「上記の業務を取り扱っていること」と、その仕事に就く外国人が「専門的知識がある」ということを証明しなくてはいけません。人文知識・国際業務ビザとは、貿易会社や旅行会社などの海外取引が頻繁に行われる会社でよく申請されるビザです。
又その外国人に仕事をさせた方が、日本人に仕事をさせるより「効率的」である、という説明もしなければなりません。報酬については、日本人と同額以上の報酬を要求されています。
人文国際ビザとは、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う、法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務、又は外国の文化に基盤を有する思考、若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動のためのビザであり、一般には文科系の方が取得します。
法律、経済、社会学などの人文科学の知識を必要とする貿易事務、翻訳や通訳、金融分析、語学学校の先生、さらに外国の文化に基盤を持つ思考や感受性を使う業務、つまり、デザイナー、建築家などが該当します。
単なる通訳・翻訳としての採用だけでは「人文知識・国際業務」の取得は難しくなっており、より詳細な資料を提出する必要があります。
人文国際ビザの申請要件は、申請人が次のいずれにも該当していることです。
1.申請人が人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、これに必要な知識に係る科目を専攻して大学を卒業し、若しくはこれと同等以上の教育を受け、又は従事しようとする業務について10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該知識に係る科目を専攻した期間を含む)により、当該知識を修得していること。
2.申請人が外国の文化に基盤を有する思考、又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
イ.翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
ロ.従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。但し、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限
りでない。(「翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合」には、実務経験がなくても、大卒ならよい)
3.申請人が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
なお、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和61年法律第66号)第58条の2に規定する国際仲裁事件の手続きについての代理に係る業務に従事しようとする場合は、上記に該当する必要はありません。
■在留期間は 3年又は1年
■申請書類
●在留資格認定証明書の取得
1.在留資格認定証明書交付申請書
2.写真2枚(縦4cm×横3cm)
3.招へい機関の商業・法人登記簿謄本及び損益計算書の写し
*新規事業の場合は、今後一年間の事業計画書
4.招へい機関の事業内容を明らかにする資料
(例)案内書など
5.卒業証明書又は活動に係る科目を専攻した期間に係る証明書及び職歴を証する文書
(例)卒業証明書、卒業証書の写し、履歴書、在職証明書など
6.活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書
(例)雇用契約書、採用通知書など
●在留期間の更新
1.在留期間更新許可申請書
2.旅券・外国人登録証明書
3.活動の内容、期間及び地位を証する文書
(例)在職証明書、雇用契約書
4.年間の収入及び納税額に関する証明書
(例)納税証明書、源泉徴収票
●在留資格の変更
1.在留資格変更許可申請書
2.旅券及び外国人登録証明書
3.招へい機関の商業・法人登記簿謄本及び損益計算書の写し
*新規事業の場合は、今後一年間の事業計画書
4.招へい機関の事業内容を明らかにする資料
(例)案内書など
5.卒業証明書又は活動に係る科目を専攻した期間に係る証明書及び職歴を証する文書
(例)卒業証明書、卒業証書の写し、履歴書、在職証明書など
6.活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書
(例)雇用契約書、採用通知書など
*上記の書類のほか、審査を行う上で必要となる資料の提出を求められることがあります。
招聘理由書には、招聘する会社の概要を書きます。そして、申請人がどうしても必要であるという必要性を書くことになります。その記載内容は抽象的なものではなく、具体的に書いてください。具体的な仕事内容、既存社員の状況、海外との取引状況、外国人の必要性、事業計画、業務遂行上の問題点、申請人の能力との関係、申請人の仕事の予定、などです。
申請人との雇用契約書には、労働関係の諸法の基準を充たすのは当然のこととして、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」、の要件がありますから、これを充たすような報酬である必要があります。業務内容が、入管関係法令所定の業務でなければならないことはいうまでもありません。
人文国際ビザは、外国人ビザの最も典型的なものの一つです。転職する場合は、就労資格証明書を取得しておくべきです。これも、他の在留資格と同じです。すなわち、さもなくば、次の更新のときに不利になることがありますし、もし転職先が、就労の認められない会社だった場合は、突然、不許可になって、帰国することになりかねません。また、更新というのは、通常、期限直前に行いますが、不許可になったときは、「出国準備期間の特定活動」(2003年末頃より「短期滞在」を使用しないように運用変更。)に変更になり、出国準備期間となります。この場合、就労はできません。
です。)。
人文国際ビザの申請のポイントは、技術ビザとほぼ同様です。まず、学歴上の専攻科目と、従事しようとする、業務との一貫性や整合性です。また、語学力も含めた業務遂行能力もポイントです。さらに、大学等での成績や出席率も関係があります。そして、受け入れ先の企業については、経営の安定性や継続性が審査されます。なお、従事しようとしている業務の遂行能力があることを、招聘理由書や契約書等の中で、十分に説明しておくのもポイントです。この点、入国管理局では、「立証(証明)責任」は、基本的に、申請人側にあります。
入国管理局は裁判所のようなものです。よく、「不許可になった。実にけしからん。」というお話を耳にしますが、ほとんどの場合は、独りよがりで不適切な申請が原因で、入管を非難するのは必ずしも当たらないことが多いです。
申請には一定のルールがあるのですから、用意周到に調査し、準備し、慎重に申請書類を作成すべきです。
この在留資格の申請例
1. 語学学校の教師に就職が決まったのでビザを取得したい。
2. 貿易会社に就職が決まったのでビザを取得したい
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