国籍について、早わかり


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国籍について、早わかり







●国籍とは


 国籍とは,人が特定の国の構成員であるための資格をいいます。国家には,領土と,国民の存在が不可欠です。従って、国民になるために必要な国籍という概念は,どこの国家にもあります。しかし,どの範囲までの者に国籍を与えるかは,その国の歴史,伝統,政治・経済情勢等によって異なります。自国の国籍を認めるかはそれぞれの国が自ら決定するものです。
 他の国の国籍を有するかどうかは,他の国が決めることがです。
 日本では,国籍法(昭和25年法律第147号)という法律で,日本国籍の取得及び喪失の原因を定めています。

●国籍に関する手続を行っている日本の機関

 日本国籍の取得及び喪失に関する具体的な手続や相談は,以下のとおりです。

1  国籍取得及び国籍離脱の届出
 (1 ) 日本に住所を有する方
 住所地を管轄する法務局・地方法務局
 (2 ) 外国に住所を有する方
 我が国の在外公館

2  帰化許可申請
 住所地を管轄する法務局・地方法務局


●日本国籍を取得する方法

 日本国籍を取得する方法には,出生,届出,帰化の3つがあります。

1  出生(国籍法第2条)
 (1 ) 出生の時に父又は母が日本国民であるとき
 (2 ) 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき
 (3 ) 日本で生まれ,父母がともに不明のとき,又は無国籍のとき

2  届出(国籍法第3条,第17条)
 届出による国籍の取得とは,一定の要件を満たす方が,法務大臣に対して届け出ることによって,日本国籍を取得するという制度です。
 (1 ) 準正(父母の婚姻と認知)による国籍の取得
 (2 ) 国籍の留保をしなかった方の国籍の再取得
 (3 ) その他の場合の国籍の取得

3  帰化(国籍法第4条から第9条まで)
 帰化とは,日本国籍の取得を希望する外国人からの意思表示に対して,法務大臣の許可によって,日本の国籍を与える制度です。


●出生により日本国籍を取得することがてきる条件

 子が出生により日本国籍を取得するのは,次の3つの場合です(国籍法第2条)。

1  出生の時に父又は母が日本国民であるとき
2  出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき
3  日本で生まれ,父母がともに不明のとき,又は無国籍のとき

 ここでいう「父」、又は「母」とは,出生の時に,子と法律上の親子関係がある父、又は母をいいます。又,法律上の親子関係は,子が生まれた時点で、確定していなければいけません。
 従って,婚姻をしていない日本人の父と、外国人の母の間に、生まれた子供については,母の胎内にいる間に、日本人の父から認知されている場合(胎児認知)には,出生と同時に日本国籍を取得します。
 しかし、出産後に、日本人の父が認知した場合は,出生の時点で法律上の親子関係がありませんので,原則として,出生によっては日本国籍を取得できません。
 しかし,出産後に、日本人の父が認知した場合でも,日本人の父と外国人の母が結婚し、父が認知すれば、準正嫡出子となるので,一定の要件を満たせば,法務大臣への届出でにより、日本国籍を取得することができます。


●外国で生まれた日本人夫婦の子供の国籍

 日本人夫婦の子が、外国で生まれた場合,出生という事実により、日本国籍を取得します。しかし,外国で生まれた子が,その外国の法律により、日本国籍と同時に外国の国籍を取得したときは,出生の日から3か月以内に,出生の届出とともに、日本国籍を留保する意思表示(国籍留保の届出)をしなければ,その子は,出生の時点にさかのぼって、日本国籍を失います。
 子が外国で生まれた場合には,日本国籍と同時に外国の国籍を取得する可能性がありますので、将来に亘って、日本国籍を有するためには,国籍留保の届出が必要となります。
 なお,日本国籍を留保する意思表示をしなかったことによって、日本国籍を喪失した子については,一定の要件を満たしていれば,法務大臣へ届け出ることによっ、て日本国籍を再取得することができます。


● 日本国籍を届出によって取得する

 届出によって日本国籍を取得することができるのは,次の場合です。
 なお,日本国籍の取得の届出をした方は,届出の時に、日本国籍を取得したことになります(国籍法第3条第2項,第17条第3項)。

1  準正嫡出子(父母の婚姻関係成立と、子の認知)による国籍の取得(国籍法第3条)
 日本人の父と外国人の母との間で、婚姻前に生まれた子は,原則として、父から胎児認知されている場合を除き,出生によって日本国籍を取得することはできません。
 しかし,出生後に,父母が婚姻し,父から認知された場合(準正嫡出子となった場合)で,次の要件を満たしている場合には,法務大臣に届け出ることによって,日本国籍を取得することができます。
 (1 ) 届出の時に20歳未満であること。
 (2 ) 認知をした父が子の出生の時に日本国民であること。
 (3 ) 認知をした父が届出の時に日本国民であること。
 (認知をした父が死亡しているときは,その死亡の時に日本国民であったこと。)
 (4 ) 日本国民であったことがない者。


2  国籍の留保をしなかった者の国籍の再取得
 外国で生まれた子で,出生によって日本国籍と同時に外国国籍を取得した子は,出生届とともに日本国籍を留保する旨の届け出をしなければ,出生の時にさかのぼって、日本国籍を失います。
 しかし,日本国籍を留保しなかったことによって、日本国籍を喪失した子は,次の要件を満たしている場合には,法務大臣に届け出ることによって,日本国籍を再取得することができます。
 (1 ) 届出の時に20歳未満であること。
 (2 ) 生活の本拠が日本にあること(住所)を有すること。


3  その他の場合の国籍の取得
 上記1及び2のほかに,官報催告によって国籍を喪失した方の再取得(国籍法第17条第2項)等があります。


(注 )上記に該当しない方が日本国籍を取得するには,帰化の方法によることとなります。

● 国籍取得の届出の手続方法

1  届出方法
 本人(本人が15歳未満のときは,父母などの法定代理人)が自ら届出先に出向き,国籍取得の要件を備えていることを証する書類を添付し,書面によって届け出ることが必要です。

2  届出先
 (1 ) 日本に住所を有する方
 住所地を管轄する法務局・地方法務局
 (2 ) 外国に住所を有する方
 外国にある日本の在外公館

(注 )国籍の留保をしなかった方場合、国籍の再取得の届出は,日本に住所を有することが条件とされています。法務局・地方法務局が届出先となります。


● 帰化とは

 帰化とは,外国人が国籍取得を希望する意思表示をした場合,国家が国籍取得の許可を与え,その国の国籍を取得できる制度です。日本では,帰化の許可は,法務大臣の権限となっています(国籍法第4条)。
 法務大臣が帰化を許可した場合は,官報にその旨、告示されます。帰化は,その告示の日から効力を生ずることとなります(国籍法第10条)。


● 帰化の条件

 帰化の一般的な条件には,次のようなものがあります(国籍法第5条)。








1  住所条件(国籍法第5条第1項第1号)
 帰化の申請をする時まで,引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお,住所は,適法なものでなければなりません。
 正当な在留資格を有していなければなりません。

2  能力条件(国籍法第5条第1項第2号)
 年齢が20歳以上であって,且つ,現に国籍ある外国の法律によっても成人の年齢に、達していること。

3  素行条件(国籍法第5条第1項第3号)
 判断方法は、通常人を基準として,社会通念上、素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは,犯罪歴の有無や態様,納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に判断されます。

4  生計条件(国籍法第5条第1項第4号)
 生活に困るようなことがなく,日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されます。申請者自身に収入がなくても,配偶者やその他の親族の資産、又は技能によって、安定した生活を送ることができれば,この条件を満たすこととなります。

5  重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)
 帰化しようとする方は,現在、無国籍であるか,又は帰化によって、それまでの国籍を失うことが必要です。
 なお,本人の意思によって、その外国の国籍を喪失することができない場合は,この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。

6  憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)
 日本の政府を暴力で破壊することを企てたり,日本の政府を暴力で破壊することを主張するような者,あるいはそのような団体を結成したり,加入しているような者は帰化が許可されません。
 なお,日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者,日本人の配偶者,日本人の子,かつて日本人であった者等で,一定の者)については,上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。
 注意しなくてはいけないのは、これらの条件を満たしていたとしても,必ず帰化が許可されるとは限りません。これらは,日本に帰化するための最低限の条件を定めたものです。


● 帰化の手続き

1  帰化許可申請の方法
 本人(15歳未満のときは,父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き,書面によって申請することが必要です。そのとき,帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を添付するとともに,申請者の身分関係を証する書類も併せて提出する必要があります。

2  申請先
 住所地を管轄する法務局・地方法務局


● 帰化の許可申請に必要な書類

 帰化許可申請に必要となる書類は,下記のとおりです。

1  帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。)
2  親族の概要書
3  履歴書
4  帰化の動機書
5  国籍を証する書面
6  身分関係を証する書面
7  外国人登録原票記載事項証明書
8  宣誓書
9  生計の概要書
10  事業の概要書
11  在職証明書及び給与証明書
12  納税証明書

 なお,申請者の国籍や身分関係,職業などによって必要な書類が異なりますので,申請に当たっては,法務局・地方法務局にお問い合わせください。


● 日本国籍を喪失する場合

 日本国籍を喪失するのは,次のような場合です。

1  自己の希望により外国の国籍を取得する場合(国籍法第11条第1項)
 自らの意思で、外国国籍を取得した場合。例えば,外国に帰化をした場合。自動的に日本国籍を失います。

2  外国の法令による外国国籍の選択(国籍法第11条第2項)
 日本と外国の両方の国籍を有する人が,外国の法令に従い,外国の国籍の方を選択した場合は,自動的に日本国籍を失います。

3  日本国籍の離脱(国籍法第13条)
 日本と外国の国籍の両方を有する人が,法務大臣に対し,日本国籍を離脱する旨、届出をした場合には,日本国籍を失います。

4  日本国籍の不留保(国籍法第12条)
 外国で生まれた子で,出生によって日本国籍と、同時に、外国国籍を取得した子供は,出生届とともに、日本国籍を留保する旨を届け出なければ,その出生の時にさかのぼって日本国籍を失います。
 なお,日本国籍の留保をしなかったため、日本国籍を失った方については,20歳未満であって、日本に住所を有するときは,法務大臣へ届け出ることによって,日本国籍を再取得することができます。

5  その他(国籍法第15条,第16条)

● 日本国籍の離脱方法

1  届出方法
 本人(15歳未満のときは,父母などの法定代理人)が自ら届出先に出向き,国籍離脱の要件を備えていることを証明する書類を添付した書面を届け出ることが必要です。
 添付書類等の詳しい手続は,届出先となる法務局・地方法務局、又は外国にある日本の在外公館にご相談ください。

2  届出先
 (1 ) 日本に住所を有する方
 住所地を管轄する法務局・地方法務局
 (2 ) 外国に住所を有する方
 日本国の在外公館

(注 )日本国籍の離脱の効果は,離脱者本人のみに生じ,その配偶者や子などの親族には及びません。
 また,日本国籍の離脱の届出をした方は,離脱の要件を備え,かつ,届出が適法な手続によるものである限り,その届出の時に日本国籍を離脱したことになります(国籍法第13条第2項)。


● 国籍の留保

 外国で生まれた子で,出生によって日本国籍と同時に外国国籍も取得した子は,一定の期間内に,日本国籍を留保する意思表示をしなければ,その出生の時にさかのぼって、日本国籍を失うこととなります(国籍法第12条,戸籍法第104条)。
 子供に日本国籍を失わせないためには,以下の手続により,国籍の留保の届出をする必要があります。

1  届出方法
 父、又は母。あるいはその法定代理人が,子の出生の日から、3か月以内に出生届出を提出するとともに、日本国籍を留保する旨の届出、をする必要があります。出生届の用紙に「日本国籍を留保する」旨を記載します。
2  届出先
 日本国の在外公館、又は市区町村役場
 なお,日本国籍の留保をしなかったことにより、日本国籍を失った方については,20歳未満であって、日本に住所を有するときは,法務大臣へ届け出ることによって,日本国籍を再取得することができます。


● 国籍の選択制度

 外国で生まれた方や,父、又は母が、外国人である方は,日本国籍の他に、外国国籍も有する「重国籍者」である可能性があります。
 国籍の選択とは,重国籍者に,所定の期限までに,自己の意思に基づいて,日本国籍か、外国国籍のいずれかを選んでいただくという制度です。
 国籍を選択しなければならない理由は,重国籍者は、2つ以上の国家に所属するため,それぞれの国で、同じ1人の重国籍者を保護する義務が生じ、国家間で、利害衝突することになり、国際的摩擦が生じるおそれがあること、又それぞれの国において、独立した個人として登録されているため,それぞれの国において、婚姻が可能になるなど,身分関係に混乱が生じるおそれがあるためです。
 重国籍者は,重国籍となった時点で、20歳未満であるときは22歳に達するまでに,又重国籍となった時点がで、20歳以上であるときはその時から2年以内に,いずれかの国籍を選択しなければなりません。
 この期限内に国籍の選択をしないでいると,法務大臣から国籍選択の催告を受け,場合によっては日本国籍を失うことがあります。


● 国籍の選択方法

 国籍の選択の方法は,次のとおりです。

1  日本国籍を選択する方法
 (1 ) 外国国籍の離脱(国籍法第14条第2項前段)
 その外国の法令に基づいて、その国の国籍を離脱すれば,重国籍は解消されます。
 (2 ) 日本国籍の選択宣言(国籍法第14条第2項後段)
 市区町村役場又は日本国の在外公館に,「日本の国籍を選択し,かつ,外国の国籍を放棄する」旨の国籍選択届をすることによって行います。

2  外国国籍を選択する方法
 (1 ) 日本国籍の離脱(国籍法第13条)
 日本と外国との重国籍者は,法務大臣に届け出ることによって,日本国籍を離脱することができます。
 (2 ) 外国の法令による外国国籍の選択(国籍法第11条第2項)
 外国が,日本と同様な国籍選択制度を有している場合に,その外国の法令に従ってその国の国籍を選択したときは,当然に日本国籍を喪失します。

(注 )外国国籍の離脱の手続,外国の法令による外国国籍の選択の手続については,その国の政府機関に相談してください。
 なお,外国国籍を離脱した場合には「外国国籍喪失届」を,外国の法令により外国国籍を選択した場合には「国籍喪失届」を,市区町村役場又は我が国の在外公館に提出してください(戸籍法第106条,第103条)。


国籍の選択は、自己の意志に基づき,次のいずれかの方法で選択しなければなりません。

(1) 日本の国籍を選択する方法
ア 外国の国籍を離脱する
 当該外国の法令により,その国の国籍を離脱した場合は,離脱したことを証明する書面を添付して、市区町村役場、又は大使館・領事館に、外国国籍喪失届をしてください。
 外国籍の離脱手続については,当該外国の行政機関、又はその国の大使館・領事館に相談してください。

イ 日本の国籍を選択する旨の宣言をする
 市区町村役場、又は大使館・領事館に「日本の国籍を選択し,外国の国籍を放棄する」旨の国籍選択届をしてください。

(2) 外国の国籍を選択する方法
ア 日本の国籍を離脱する
 住所地を管轄する法務局・地方法務局または大使館・領事館に戸籍謄本,住所を証明する書面, 外国国籍を有することを証明する書面を添付して,国籍離脱届をしてください。
イ 外国の国籍を選択する
 当該外国の法令に定める方法により,その国の国籍を選択したときは,外国国籍を選択したことを 証明する書面を添付の上,市区町村役場または大使館・領事館に国籍喪失届をしてください。

3.国籍選択の期限
 国籍選択の期限は,重国籍となった時期によって異なりますが,その期限は次のとおりです。

(1)昭和60年1月1日以後(改正国籍法の施行後)に、重国籍となった日本国民
20歳に達する以前に重国籍となった場合 → 22歳に達するまで
20歳に達した後に重国籍となった場合 → 重国籍となった時から2年以内

 なお,期限までに国籍の選択をしなかったときには,法務大臣から国籍選択の催告を受け,場合によっては日本の国籍を失うことがあります。
(2)昭和60年1月1日前(改正国籍法の施行前)から重国籍となっている日本国民

昭和60年1月1日現在20歳未満の場合 → 22歳に達するまで

 なお,期限までに国籍の選択をしないときは,その期限が到来した時に日本の国籍の選択の宣言をしたものとみなされます。