犯罪発生状況、防犯対策
犯罪発生状況、防犯対策
- フィリピンでは、犯罪の種類にかかわらず、犯罪者が凶器を使用するおそれが常にあり、この点で危険が多いといえます。それは、万引きであろうと強盗であろうと、犯罪者は、警察官や警備員、場合によっては被害者からの銃器等による反撃に備えて、必ず相応の凶器を所持し、身の危険を感じた場合はためらうことなく攻撃を加えること等によるためです。
- 銃器を使った犯罪の多発
特にマニラ首都圏やミンダナオ島西部の州等において、銃器を使用した凶悪犯罪が多発しています。フィリピンでは、一般市民でも、警察に登録し許可を取得することにより、合法的に銃を所持・携帯することができ、銃器が相当に普及しています。このため、単なる物盗りまでもが銃器を使用して犯罪に及ぶことが多く、夜間はもちろん、人通りの多い昼間の市街地で被害に遭う例もあります。外国人は銃器を所持していないとして、犯罪者から狙われることが多いので、駐在員・旅行者を問わず注意が必要です。被害に遭わないために、歓楽街や人通りの少ない裏通り等の一人歩き(特に夜間)は避けることが重要です。
万一被害に遭った場合は、絶対に抵抗せず、また、金品を渡そうと慌ててポケット等に手を入れようとする行動が銃を取り出そうとしていると誤解されることがあり、犯人側に発砲させる原因となるので、努めて冷静に対処することが重要です。
- 空港から市内への移動時における外国人旅行者(特に日本人)を狙った強盗事件の散発 近年、ニノイ・アキノ国際空港から都心部に向かう途中の路上で外国人旅行者(特に日本人)を狙った強盗事件が散発しています。2000年11月には、日本からの出張者がマニラの空港到着直後、行方不明となり、翌日、遺体で発見されるという痛ましい事件も発生し、また、2002年1月には、連続して日本人が被害に遭っています。強盗の手口は、被害者が乗車している車の前に強引に割り込み、急停車させた後、銃器で車の窓ガラスを叩き割る等威嚇した上でドアを開けさせ、金品の強奪に及ぶという荒っぽいものです。
なお、日本人被害者の中には、空港内の両替所で多額の現金を両替した方がいたことが判明しています。
空港から市内への移動にあたっては次の点に注意が必要です。
- 空港では多額の両替・換金をしない。
- 出張者や旅行者が空港の出迎えを依頼する場合、待ち合わせ場所や出迎え者の名前を事前に打ち合わせ、空港到着時は、決められた場所で出迎え者に身分証明書等の提示を求める等、確実な方法で相手の身分事項の確認を行う。
- 出迎え者がいない場合には、タクシーを利用することになるが、必ず所定の乗り場から正規の空港タクシーを利用する。また、タクシー運転手の氏名とライセンスナンバーを控えておく。強引な客引きをする運転手のタクシーには絶対に乗らない。
- 出張者の航空便が遅れたり、出迎え者が交通渋滞等で空港に着くのが遅れたりで、空港で行き違いになる可能性に備え、現地で利用可能な携帯電話を出張者に携行させるのも一案。
- 空港の到着ロビーにて、日本語を巧みに使い近づいてくる人には十分に注意する。
また、深夜便でマニラの空港に到着した日本人観光客が、空港から市内へ向かう路上で武装した強盗に襲われ、旅券、現金、時計、カメラ等の所持品を奪われる事件も発生しています。フィリピンを何度も訪れている人でも被害に遭っているので、可能な限り深夜便での到着は避けたほうが良いでしょう。
- 爆弾テロ、誘拐、監禁、脅迫事件の散発
フィリピン国内には、テロ組織、ゲリラ組織と目される組織が、確認されているだけでも複数存在すると言われていますが、これらの組織、またはその模倣犯などが引き起こす爆弾テロ、誘拐、監禁、脅迫事件などが時折発生しています。
爆弾テロは、不特定多数の人的被害を狙った犯行です。不特定多数の人々が集まる場所(空港、港湾、レストラン、ショッピング・モール等)やテロ攻撃のターゲットとなりうる外国権益等に足を運ぶ際には、常に周囲の状況、人物等に気を配り、不審者、不審物等を発見した場合にはみだりに近づかない、といった平素からの心構えが大事です。
誘拐、監禁、脅迫といった行為は、前述の無差別的な犯行とは異なり、明らかに何らかの要因に基づいて発生する作為的なものであり、またその多くは極めて計画的なものです。口論や争いを避けるよう、常に言動には注意し、目立つ服装、行動を慎むよう心がける、また、通勤時間帯、通勤路等のパターン化を避け、自宅や勤務先周辺に不審人物、不審車両が見られないか否かを常に確認し、仮に不審人物等を発見した際には、直ちに大使館や警察に相談する、といった心構えを持つことが大切です。
- その他の日本人被害例(凶悪犯罪以外)
(窃盗被害)
日本人の窃盗被害は多発しています。マニラ市内で、バス、ジプニー(乗り合いタクシー)、LRT(市内電車)を利用した際のスリ被害、また、ランドマーク等のショッピング街での引ったくり、置き引きの被害が多く、日本で知り合ったフィリピン人女性に会いに来た日本人が、相手のフィリピン人女性に現金、旅券等貴重品を預けていたところ、女性がそれらを持ったまま姿を消してしまった事件もあります。
(睡眠薬強盗、いかさま賭博)
マニラ首都圏において睡眠薬強盗が多発しています。デパート周辺、船乗り場、繁華街、公園等あらゆる場所で被害は発生しています。
主な犯行手口は、フィリピン人女性が単独、またはカップルあるいは家族連れを装い、単独の日本人旅行者(特に男性)や日本人カップルを狙い、観光ガイドをしてあげる、日本語を勉強したい等と日本語等で親しく話しかけて近寄り、ホテルや自宅へ誘い、睡眠薬を入れたジュース等の飲み物や食べ物をすすめて眠らせ、その間に所持金等を盗むというものです。
中には、被害者の目の前で栓を開けたにもかかわらず、飲み物の中にすでに睡眠薬が混入していた例や、店で同じ食べ物を2つ買い、1つを食べて見せて被害者を安心させ、睡眠薬を混入させた方を食べさせたという例もあります。また、犯人側は女性旅行者に対しては中年紳士姿等で近付く場合もあります。2001年には、銀行役員の名刺を所持する身なりの良いフィリピン人による犯行が相次いで発生しました。2002年には、同様の手口により在フィリピン韓国大使館の館員が睡眠薬強盗被害に遭い、死亡するという事件も発生しています。
また、リサール公園周辺では、日本人旅行者が、フィリピン人男性からトランプ・ゲーム等の賭事を持ちかけられ、誘いに乗ったところ、いかさま賭博で多額の現金を騙し取られる被害も発生しています。
- 犯罪被害危険地域
比較的軽微な犯罪被害事件が日常的に多発している地域は以下のとおりです。なお、このような比較的軽微な犯罪をはじめ、拉致・誘拐等の重大な事件に巻き込まれる可能性は、フィリピン国内のいずれの地域においても存在します。フィリピン滞在中は、以下の地域以外でも十分な注意が必要です。
- マニラ首都圏の観光スポット等
(マニラ市内の観光地、空港、ショッピング街で強盗・窃盗事件が多発。)
- マニラ周辺地域(空港、観光スポット、ショッピング・モール等において、窃盗・強盗・睡眠薬強盗事件被害に巻き込まれるケースが多発。なお、マニラ市トンド、同市オニックス、カロオカン市バーゴン・バリオ、パサイ市バクラランといった比較的低所得者が多く在住する地区においては、窃盗・強盗事件、傷害事件等が日常的に発生している。)
- セブ市ダウンタウン(特にコロン通り等においてスリ、ひったくり被害が多発。)
- 防犯対策
基本的な心構えとして、次の点に注意することが必要です。
- 犯罪を誘発する環境を作らない。例えば、支払いの際に財布の中身が見えるような方法で現金を取り出したり、雑踏の中で必要もないのに高価なカメラや貴重品を持ち歩くことは避ける。
- 路上の一人歩き(特に夜間や人通りの少ないところ)は極力避ける。
- 生命と身体の安全を最優先する。万が一、被害に遭った場合は、絶対に抵抗しない。
- 深夜便による入国は極力避ける。
- タクシーを利用する際は、最寄りの大きなホテルまで行って乗るとか、または、地理に明るい友人と同乗する等して、1人で乗らないようにする。
- 見知らぬ人から日本語等で親しそうに話しかけられた場合、誘いに乗って一緒に行動すると、睡眠薬強盗やいかさま賭博の被害に遭う可能性が高いので、慎重に対応する。